自己破産申し立て手続きの流れ

ここでは、自己破産の申し立てから、破産手続き開始決定まで手続きの流れについて紹介しておきます。

 

破産申立に必要な書類、費用、申し立て方法についてまとめました。

 

いわゆる「借金免除」の状態をゴールとすれば、破産手続き開始決定は、ゴールまで半分の距離です。

 

借金がチャラになるまでの前半戦として、お読みください。

破産と免責の違いについて

 

破産手続きについて理解する前に確認しておきたいのが、よく誤解される、「破産」と「免責」の違いです。

 

株式会社など法人の場合、破産申立後、手続きが終了したころには、倒産、もしくは解散していますので、債務者の責任はありません。

 

簡単に言えば、破産イコール借金ゼロということです。

自己破産手順

しかし、個人の場合は、破産手続きが終了したあとも、個人として生活をしていかなければいけません。

 

なので債務の返済義務は残ります。

 

破産手続きが終了した時点でストップするのは、債権者(借金取り)からの取立てだけです。

 

そのため、借金から解放されるためには、裁判所から免責決定を受ける必要があります。

 

まとめると、個人の場合は、破産申立後、手続きが完了し、免責許可決定を受けるまでが、自己破産に関する一連の手続きと言えます。

 

売却資産がない場合の自己破産の手続きの流れ

 

破産手続きに必要な書類の準備から、破産手続き開始決定までの流れについて紹介します。

 

個人の方が自己破産される場合、売却して現金化できる資産をお持ちでない方がほとんどのため、その場合、同時廃止となります。

 

同時廃止とは

 

債務者が不動産など財産を所有していない場合は、破産手続きと同時に終結となります。

 

破産手続きでは、売却資産がある場合は現金化して、それらを債権者に公平に分配しますが、資産がない場合は、破産手続きをする意味がありませんので、手続き開始と同時に廃止、つまり「同時廃止」となります。

 

自己破産の流れについては、大きく分けて以下のとおりになります。

  • 破産手続きの申し立て
  • 破産申し立て費用の支払い
  • 破産審問
  • 破産手続き開始決定

 

破産手続きの申し立て

 

自己破産申立書類の作成

 

書類の作成

個人の破産の原因は支払い不能状態にあることで、破産する原因を証明しなくてはなりません。

 

破産審問では、申立書に基づいて、申立人(債務者)に対する審問が行われます。

 

書類作成の中で特に重要なのが「陳述書」です。

 

陳述書の中で、申立人が抱えている負債額と、現在の収入額を明らかにして、いかに支払い不能状態であるかを客観的に立証する必要があります。

 

破産申し立てに必要な書類一覧

 

破産申立てをする際、裁判所に以下のような書類を提出することになります。

  1. 破産手続き開始・免責許可申立書
  2. 陳述書
  3. 債権者一覧
  4. 資産目録
  5. 家計状況

これらの他に、収入を証明するもの(源泉徴収票や給与明細)、生活保護受給中であれば、生活保護受給証明書、あとは預金通帳のコピーや保険証書なども必要になります。

 

破産申し立て書類の準備について

 

上に書いた破産申立に必要な書類は裁判所の公式ホームページからダウンロードできます。
http://www.courts.go.jp/niigata/saiban/tetuzuki/syosiki/

 

破産申し立てに必要な費用

 

自己破産申し立てと同時廃止を行う場合に必要な費用ですが、これは各自治体によってマチマチです。
(東京地方裁判所の例)

  1. 収入印紙代   1,500円
  2. 予納郵券代  10,584円
  3. 予納金      4,100円

このうち、2と3については各地方裁判所により、差があるため一定していませんが、概ね2万円〜3万円以内です。
現在お住まいの所管裁判所か、弁護士等におたずねください。

 

裁判所への自己破産の申し立て方法

 

破産申し立て書類の準備が整えば、裁判所へ行き破産申立の手続きを開始します。

 

破産の申し立ては、原則として債務者本人の住所地を所管する地方裁判所に行います。

 

自己破産の申し立ては書面で行い、それとともに申し立て費用を添えて提出します。

 

自己破産申し立て自体は、債務者本人でも可能ですが、スムーズな手続きを望むなら、弁護士、司法書士などの法律家に依頼したほうがよいでしょう。

 

 

破産審問、裁判所での審理について

口頭質問

 

裁判所は破産の申立がなされたあと、意見聴取書を債権者に送付します。

 

この時点で、債務者が自己破産したということが、裁判所経由で、債権者に知らされます。

 

意見聴取書が裁判所に届くまでに1,2ヶ月かかります。その頃を見込んで、破産審問の期日を設定します。

 

破産審問では、債務者の審問と、各債権者から回答のあった意見聴取書により、自己破産が相当と裁判所が判断した場合、破産手続開始決定を行い、同時廃止が決定されます。

 

破産手続き開始決定と官報での公告

官報

 

破産審問の日から数日後に、破産手続き開始決定と同時廃止決定がくだされます。

 

数日後には官報によって告示されます。

 

このことにより破産者になったことを意味します。

 

これで、借金がチャラになったわけではなく、ここから免責許可決定を受けなければいけません。

 

破産申し立てが棄却される場合

 

自己破産の申し立てが棄却されるということは、破産する原因がないということです。

 

申立人(債務者)の資産状況と負債総額を比較検討した結果、支払い不能状態にはないと判断される場合、破産申立が棄却されることがあります。
このような場合でも、自己破産ができないというだけですので、その他の債務整理方法は残されています。

 

任意整理などによる支払額や利息の見直しを図り、自力での返済を目指しましょう。
任意接種については弁護士に依頼することをおすすめします。

 

自己破産したほうが良い人とは?

自己破産したほうがよいのは、3年で返済することが難しい多額の借金がある人です。
借金がいくらであっても確実に返せるのであれば任意整理のほうがよいのですが、返済計画が成立しているかどうかは、弁護士や司法書士と相談して、返済計画が破綻しているようでしたら自己破産したほうが良いでしょう。

 

自己破産は借金もゼロにできますが、99万円までの現金と20万円までの預貯金以外の資産も没収されてしまいます。
持ち家などの資産がある場合は、自己破産を行うかどうか悩むことになりますが、そのような資産がない人も自己破産が向いています。

 

自己破産を行うと免責決定までの期間、資格に制限を受ける職業があります。
それらの職に就いていなければ制限を受けることがないため、自己破産を選び借金の返済を免責してもらうほうが良いでしょう。

 

自己破産が向いているか、任意整理が向いているかは他にも様々な要因が関係しますので、まずは弁護士や司法書士などの専門家に相談してみましょう。彼らの経験に基づいて、最適な債務整理を提案してくれます。

 

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