自己破産後、免責許可決定までの手続きの流れ

ここでは、破産申立により、破産者となった後、免責許可が確定するまでの手続きについて紹介します。

 

免責許可が下りなければ借金免除にはなりません。

 

また免責不許可事由があれば、破産後に返済義務が残ることになります。借金ゼロにするための重要なポイントになります。

 

まずは免責手続とは何かを理解しておきましょう。

 

免責手続きとは、破産手続きが開始された時点で破産者が背負っていた債務について、法律上の支払い義務を免除するかどうかを決める手続きになります。
なので、破産申立後、破産手続き開始されるだけでは、借金が免除になるわけではありません。
免責審問を経て初めて免責か否かが判断されることになります。

 

 

免責許可の申し立て手続きについて

 

現在の破産法では、破産手続き開始の申し立てと同時に、免責許可の申し立てをすることができるようになっています。
債務者が破産手続き開始の申し立てをした時は、別途免責許可の申し立てをする必要はありません。

 

免責手続中の強制執行の禁止について

手続き中の差押え

 

免責手続き中に仮差押えなどの強制執行を行うことは、現在禁止されています。

 

また、すでになされていた強制執行の手続きなども中止されます。

 

つまり、破産手続き開始と同時廃止が行われてから、免責が決定されるまでの間に、債債権者から借金の取立てに合ったり、家財などの差し押さえに合うことはないということです。

 

免責審問はどのように行われるのか?

 

免責審問までの期間

 

破産手続きを開始してから免責審問まで、およそ2〜3ヶ月要します。
裁判所から債務者または弁護士代理人がいる場合は、代理人あてに連絡が入ります。

 

免責審問の内容

免責審問

免責審問では、申立人が提出した陳述書等の内容にもとづいて、免責が妥当かどうかを判断します。
破産者に対して裁判所は、口頭で審尋を行います。

 

それと同時に、債権者が免責についての意義を申し立てる場でもあります。
免責決定すると、債務者の借金がなくなるため、それを食い止めようとする動きがあるのです。

 

ただし、現状は、クレジットカード会社や消費者金融などの業者が審問に出席することはほとんどなく、友人や知人等の個人的な借金に関係する人だけが出席するという場合が多いです。
裁判所の調査の結果、破産者に免責不許可事由がなければ、免責許可決定がなされます。

 

免責不許可事由の例と不許可になる確率

 

免責申し立てをしたにもかかわらず、許可が下りないケースがいくつかあります。
その事例については、以下のとおりです。

 

免責不許可事由の例

 

  • 財産隠しや隠蔽行為が発覚した場合。また、債権者を害する目的で財産的価値を減少させた場合。
  • 浪費やギャンブルによって散財した、それが原因で大きな借金となってしまった場合。
  • クレジットカードで購入したものを、安価に転売したり、現金化した場合
  • すでに返済不能状態にあるにもかかわらず、そうでないかのように見せかけ、債権者を信用させて、借金をした場合
  • 審問で虚偽の陳述や陳述書に嘘の記載を行った場合
  • 免責申立する7年以内に、免責を受けた経験がある場合

 

ギャンブルや女遊び(男遊び)が理由の借金は免責になるか?

免責対象外

 

ギャンブルが原因で作った借金が、免除になるのかどうかは、自己破産を検討している多くの人にとって、関心のあるところでしょう。

 

上の免責不許可事由だけを見ると、パチンコ、競馬などで作った借金は免責にならないようにも見えますが、実際にはギャンブルが理由で借金が大きくなってしまった人も、免責になっています。

 

免責審問では、ギャンブルが原因で「過度に財産を減らしたり」、「債務を増やしたり」していないかどうかが争点になります。

 

ギャンブルは免責対象外

 

例えば、500万円ある借金がすべてギャンブルが理由の場合は、免責にならないかもしれませんが、そのうち、半分が生活費や、他社返済のための利息分である場合は、免責されることもあります。

 

7年以内に免責になった経験があるという項目以外は、簡単に言うと、「誠実さ」に欠けるという理由で免責が下りないわけです。

 

不誠実な理由で借金を作った人には、社会生活復帰の道も険しいということです。

 

免責不許可になる確率

 

免責申請した債務者の90%は免責になると言われています。

 

では、逆に残りの10%の人がなぜ免責にならなかったのか気になるところです。

 

代表的な理由は以下のとおりです。

  • ギャンブルが原因で莫大な借金を作ってしまった
  • クレカの現金化等で、安価に現金を作るために物品を転売した

博打で作った借金が免除にならない可能性があることは、先にお話しました。

ショッピング枠は免責対象外

また、元々クレジットカード枠の現金化は、クレジットカード会社が認めていません。
クレカ現金化で業者に転売を行い、万一それで自己破産をしようとしても、免責にならない場合があります。
なので、いくらお金に困っても、絶対にクレジットカード枠の現金化はしてはいけません。

 

免責不許可になった場合の対応

 

なんらかの理由で免責許可が下りなかった場合の対応と、その後どうなるのかについてまとめます。

 

免責不許可になるとその後どうなるのか?

 

破産手続きだけが終了し、破産者としての身分が残ります。
なので、資格制限等の不利益は残ります。

 

職業に就けない

国家試験の受験資格がなかったり、警備員や古物商、風俗営業の管理者などにはなれないことになります。

 

しかし、逆を言えば、それ以外の日常生活を送る部分については、ほとんどデメリットがないと言えます。
デメリットについていえば、お金に関する社会的な信用が著しく低くなるため、ローンが一定年数組めなくなります。

 

(参考)自己破産後のクレジットカード。債務整理したら何年クレカは作れないのか?

 

また、一生破産者として生きていくわけではありません。
破産者として10年間無事に過ごせば、破産者としての資格制限はなくなります。

 

免責不許可が不服な場合

 

地方裁判所が、申立人に対して、免責不許可決定を通知した場合、送達された2週間以内に高等裁判所に公告することができます。

 

免責許可通知と効力について

 

免責審問を終えてから実際に免責になるまでの期間や免責の効力、免責後も支払い義務が残る借金についてまとめます。

 

免責審問から実際に免責確定までにかかる期間

 

免責審問から免責許可決定が出るまで1週間から2週間かかります。

 

許可決定がなされると、『官報』で告示され、告示日から2週間で確定し、免責の効力が発効されます。

 

つまり裁判所での、免責審問から実際に借金免除になるまで約1ヶ月足らずということになります。

 

免責決定になるとどうなるか?免責されても支払い義務が残るもの

 

免責許可が決定すると、破産者は一部の債務を除いて支払い義務がすべてなくなります。また、資格制限等の縛りもなくなります。

 

免責後もなお支払わなければならない債務については、以下のとおりです。

  • 税金
  • 罰金などの過料
  • 故意・悪意をもって加えた損害賠償
  • 子供の養育費
  • 離婚慰謝料
  • 従業員の給料

税金は免責にならない

市民税や所得税などの代表される税金がチャラになるということはありません

 

万一滞納がある場合は、破産申し立て前に弁護士などに相談して、支払い計画を立てておく必要があります。

 

また交通違反など、刑事罰を受けて支払わなければいけない罰金も支払い義務が残ります。

 

離婚経験のある人の場合は、養育費や慰謝料の支払いもそのまま残ります。

 

まとめ:免責が難しい場合でも自己破産を諦めない

 

自分に免責不許可事由が多いことを理由に、自己破産することを諦めてしまう方が多いです。

 

自己破産をしてみたが、免責が下りなかったという結果になっては、弁護士費用や破産手続きに費やした時間が無駄になってしまうこともあります。

 

たしかに、債務整理方法は自己破産だけではありませんし、任意整理等の方法で、返済をし続けたほうが、免責後の生活のデメリットも少ないです。

 

しかし、今後の支払いが不能状態に陥っているのであれば、自己破産の申請はしてみるべきです。

 

というのも、例えば、ギャンブルが理由でで大きな借金を作ってしまった場合でも、地方裁判所の裁量で、免責許可になる場合もあります。

 

言ってみれば、自己破産は申請してみないと、免責されるかどうかは分からない部分があるのです。

 

また、たとえ免責決定が下りない場合でも、破産手続きは開始されます。

 

破産手続きが開始されれば、債権者は債務額の半額を損金計上できます。

 

簡単に言えば、借金の債権者は、債権額の半額分を、税金から引いてもらうことができます。

 

このことは、債権者にとってもメリットが大きいので、今から自己破産しようと考えている相手から、わざわざ債権の回収するということをしなくなる人が多く、債務者への請求は少なくなります。

 

債務者としても、返済交渉しやくすくなるため、自己破産による免責はできなくても、任意整理による借金の圧縮がしやすくなります。

 

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